Ansible 環境を Rye から uv に移行する

Ansible 環境を Rye で構築していたが、Rye は開発中止になり uv に移行することがアナウンスされているため、uv に移行した。

導入

既存 Ansible Playbook 改善 - Rye による Python パッケージ管理と ansible-lint による静的解析 では Rye を用いて Ansible 環境を構築していた。

Rye is no longer developed. We encourage all users to use uv, the successor project from the same maintainers, which is actively maintained and much more widely used.

https://github.com/astral-sh/rye では上記のように Rye の開発中止と uv への移行が案内されている。

uv は Rye と同様に Python の依存パッケージとプロジェクトを管理するツールである。 依存パッケージを宣言的に管理することができ、簡単に環境構築を行うことができる。

インストール

インストールは下記を実行することで可能である。

curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh

Rye では下記のようにサイレントインストールする際に変数を指定する必要があったが uv では不要になっていた。

curl -sSf https://rye.astral.sh/get | RYE_INSTALL_OPTION="--yes" bash

下記のようにユーザー領域にインストールされる。

$ which uv
~/.local/bin/uv

$ which uvx
~/.local/bin/uvx

$ uv --version
uv 0.9.9

シェル補完スクリプトも提供されており、下記のようにして生成することができる。

mkdir -p ~/.local/share/bash-completion/completions
uv generate-shell-completion bash > ~/.local/share/bash-completion/completions/uv.bash

uv 環境作成

試しに uv で新規プロジェクトを作成してみる。下記のような構成になる。

$ uv init uv-test
$ cd uv-test

$ tree . -a -L 1
.
├── .git
├── .gitignore
├── main.py
├── pyproject.toml
├── .python-version
└── README.md

1 directory, 5 files

依存パッケージをインストールして環境を構築する場合は下記のようにする。uv.lock と .venv が作成されていることが分かる。

$ uv sync
Using CPython 3.14.0
Creating virtual environment at: .venv
Resolved 1 package in 1ms
Audited in 0.00ms

$ tree . -a -L 1
.
├── .git
├── .gitignore
├── main.py
├── pyproject.toml
├── .python-version
├── README.md
├── uv.lock
└── .venv

2 directories, 6 files

uv.lock を更新せずに環境を構築する際は uv sync --frozen を実行する必要がある。 個人的には、lock ファイルは明示的に更新するとき以外は固定しておいて欲しい。

Rye では requirements.lock と requirements-dev.lock が作成されていたが、uv では uv.lock のみになった。

  .python-version
  pyproject.toml
- requirements-dev.lock
- requirements.lock
+ uv.lock

pyproject.toml に name と version 指定がないとエラーになる。Ansible を実行するだけならば必要ないように感じられるが、uv 移行に伴い必要になる。

[project]
name = "user-playbook"
version = "0.1.0"
requires-python = ">=3.13"
dependencies = [
    "ansible-core==2.16.14",
    "ansible-lint==25.9.2",
]

参考に Rye での設定を下記に示す。tool.rye テーブルは必要な項目だったのかは定かではないが、uv では不要である。

[project]
requires-python = ">=3.13"
dependencies = [
    "ansible-core==2.16.14",
    "ansible-lint==25.9.2",
]

[tool.rye]
managed = true
virtual = true
dev-dependencies = []

依存パッケージの追加は下記のようにする。これを実行すると自動的に uv.lock が更新される。

uv add "ansible-core==2.16.14" "ansible-lint==25.9.2"

.venv に入らずに ansible コマンドを実行する場合は下記のようにする。 rye run だった部分を単純に uv run に置き換えれば良い。

$ uv run ansible --version
ansible [core 2.16.14]

Rye アンイストール

Rye の環境を削除する場合は下記のようにすればよい。

Rye 本体は ~/.rye にインストールされている。

$ rm -rf ~/.rye

パス設定を行っている場合は設定を削除する。

vim ~/.bashrc
# 下記の行を削除する
# source "$HOME/.rye/env"

シェル補完スクリプトを生成していた場合は削除する。

rm ~/.local/share/bash-completion/completions/rye.bash

CI

ansible-lint の実行をしているのみの CI において 1 分 30 秒ほどの実行時間を 1 分程度に短縮することができた。 Rye から uv に置き換えたのみで、それ以外のことはしていない。